こんにちは。くんぱす先生です。
私は認知症疾患医療センターに勤務する医師で、認知症予防健診から終末期のお看取りまで認知症の全段階の診療を日々行っています。
診察室では認知症ご本人の診察が中心となってしまうので、介護者のサポートがしたくてサイトを立ち上げました。
このサイトでは、日々認知症診療に携わる医師の立場から、認知症介護をされている方にとって助けとなる内容を発信しています。

他の記事で、医療機関を受診することをお勧めしました。
けれど、「具体的にはどうしたらいいの?」と悩んだまま動けない患者さん、ご家族のために具体的なステップをまとめたいと思います。
さほど難しいことではありません。
是非、この記事を読んで第一歩を踏み出してください。
ステップ1:かかりつけ医に相談できるかどうか
日頃、定期的に受診しているかかりつけの医院がある場合はそちらに相談できるかどうかを考えてみましょう。
例えば、整形外科しか通っていない場合は認知症の相談をするのは難しいと思います。
できれば内科系の全般的に診ていただける医院の場合は、認知症の症状の相談をしてみてください。
かかりつけ医がいない場合は【ステップ2】へ進みましょう。
ステップ2:地域の認知症疾患医療センターを検索する
検索ボックスにこんなワードを打ってみてください。
自分の地域名と”認知症疾患医療センター”と打つと、自分の住まいの近くの認知症疾患医療センターを見つけることができます。
東京都では『東京都認知症疾患医療センター一覧』として、まとめて出ています。
一覧表を見て頂くと、一番右の欄に『種類』とありますが、『地域連携型』は地域に根付いたイメージ、『地域拠点型』はそれらを取りまとめる医療機関のイメージで精査などは拠点型で行うことが多いです。
まずは種類には捉われず、受診しやすい立地、予約の取りやすさなどから決めてください。
大学病院や地域の拠点となる総合病院では紹介状がないと自費でお金がかかる場合もあります。(選定療養費などといいます。)
受診した後に、医師の判断で地域拠点型の認知症疾患医療センターへ紹介受診を勧める場合があります。
ステップ3:認知症疾患センターのホームページで初診予約方法を確認
まずは受診相談の電話をかける場合が多い印象です。
医師ではなく相談員や看護師などコメディカルが、認知症の受診を考えた経緯やお困りの症状などを電話口で聞き、問診を行うことが多いです。
もちろん医療機関によって、初診の予約方法は異なってくるのでホームページを読みましょう。
先ほどお話したように、大きな病院ではかかりつけ医の紹介状がないと受診できないことも少なくないので併せて確認が必要です。

ステップ4:予約する
ステップ3で予約方法を確認したら実際に予約しましょう。
ホームページには当日の持ち物が書いてあったり、電話で予約するタイプであれば電話口でも当日の持ち物を伝えられるかと思います。
基本的にはこんな持ち物の指示が多いと思います。
- 保険証
- お薬手帳
- 最近の健康診断の結果
- (紹介状)
- 相談したいこと、経緯などをまとめたメモ(簡潔に)
ステップ5:当日になったら受診する
認知症の症状の程度によりますが、ご本人と一緒に様子が一番分かる方が同行することをお勧めします。
医療機関側に実際の症状が伝わらなければ、診断や今後の動きも変わってきてしまうためです。
外来時間は限られているため、短い時間で症状が伝わるように簡潔にまとめたメモを持参することをお勧めします。
稀に、提出レポートのようにA4用紙何枚にも渡って日記のような文書を持参される方がいますが、正直短い外来でその量に目を通すことはできませんし、読めたとしても結局何に一番困っているのかが伝わりません。
全てを伝えるのではなく、要点をまとめて伝えましょう。
おわりに
今回は、認知症外来の初診の具体的ステップをお話しました。
受診につなげることで、今後の相談先が明確になったり、薬物治療の必要性の判断もしてもらえるため迷う場合は受診をお勧めします。
かかりつけ医がある方は主治医へ相談し、ない方は地域の認知症疾患医療センターを検索してみましょう。

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